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子どもに伝えるビタミンEの話

出典確認日:2026年10月13日|栄養士等の監修は受けていない一般情報です

この記事は栄養の一般情報と食育の声かけ例です。子どもの不足を診断したり、個別の食事量・園の給食基準を示したりするものではありません。食事や成長に心配が続く場合は、保護者・園の栄養士・医療機関へ相談してください。

「ビタミンEって、何をしているの?」。大人にも少し説明しにくい栄養素ですが、給食に出てくる食材から話を始めると、子どもと一緒に考えられます。

この記事では、保育士が知っておきたい基本と、幼児への短い声かけ、食べ物への興味につながる遊びを紹介します。栄養素の名前を覚えることより、「今日のごはんには、どんな食べ物があるかな」と気づくきっかけにしてみましょう。

ビタミンEはどんな栄養素

ビタミンEは、油に溶けやすい「脂溶性ビタミン」の仲間です。体の細胞が酸化によるダメージを受けるのを防ぐ手助けをします。この働きが「抗酸化作用」です。

私たちの体では、食べ物からエネルギーを取り出すときなどに、細胞を傷つけることのある物質が生じます。ビタミンEは、そうしたダメージから細胞を守る働きに関わっています。厚生労働省eJIM「ビタミンE」

子どもに話すときは、「抗酸化」という言葉を無理に使わなくても大丈夫。まずは「体の中で、守るお手伝いをする栄養」と伝えてみましょう。

年齢に合わせた声かけ

次の言葉は、保育で使うための説明例です。年齢は目安なので、子どもの関心や理解に合わせて短くしたり、食材の話だけにしたりしてください。

1歳から2歳ごろ

「かぼちゃ、黄色いね。やわらかいね」

この時期は栄養素の説明を急がず、色やにおい、触れた感じなど、目の前の体験を言葉にするところから。

3歳ごろ

「かぼちゃには、ビタミンEっていう栄養があるよ。体を守るお手伝いをしているんだよ」

短い一言で伝えたら、「今日の給食にもあるかな?」と、実際の食材へつなげます。

4歳から5歳ごろ

「体は、とても小さな『細胞』が集まってできているよ。ビタミンEは、その細胞が傷つくのを防ぐお手伝いをするんだ。かぼちゃやほうれんそうにも入っているよ」

もっと聞きたい子には、細胞を小さな部屋に見立てた絵を添えてもよいでしょう。「お部屋を守るお手伝い」と話す場合は、イメージをつかむためのたとえです。体の中に本当の部屋や守り手がいる、という説明ではありません。

保育士が押さえておきたいこと

「守る」は、酸化による細胞のダメージを抑える働きをやさしく表した言葉です。「食べると風邪をひかない」「けがをしなくなる」など、あらゆる病気やけがを防ぐ意味には広げません。「食べないと体がさびる」と不安を与える言い方も避けましょう。

給食で見つけやすい食べ物

ビタミンEは、身近な野菜や植物油にも含まれています。

文部科学省の食品成分データベースでは、ゆでた西洋かぼちゃのα-トコフェロールは可食部100g当たり3.4mg、ゆでたほうれんそうは2.6mgです。ここでの数値は成分の参考値で、子どもに100g食べてもらうという意味ではありません。食品の種類や調理状態で値は変わります。西洋かぼちゃの成分、ほうれんそうの成分

植物油では、ひまわり油や大豆油などがビタミンEを含みます。食育のために油をそのまま飲ませたり、量を増やしたりする必要はありません。普段の献立に使われている食材を、栄養士や調理担当者と一緒に確認して紹介しましょう。厚生労働省eJIM「ビタミンE」

なお、一つの食品には複数の栄養素が含まれています。「かぼちゃはビタミンEだけの食べ物」という教え方にならないよう、「ほかの栄養も入っているよ」と添えます。

3分でできる食育遊び

今日の給食と同じ食べ物を探そう

準備:その日の献立に使われる、かぼちゃやほうれんそうなどの大きな食材カード。食べ物を口に入れていない、食事前の時間に行います。

1. カードを見せて「この食べ物、何かな?」と尋ねる

2. その日の料理の写真を見せ、「どこに入っているかな?」と探す

3. 「この食べ物にも、体を守るお手伝いをするビタミンEがあるよ」と一言添える

「黄色くなったね」「切る前は大きかったね」など、栄養以外の気づきも大切に。食べる場面では遊びを終え、食事に集中できるようにします。

カードを指さすだけ、友達の発見を見るだけでも参加できます。食べられた量を競ったり、完食を参加条件にしたりしません。

この遊びと声かけは本記事の提案例で、効果を検証したプログラムではありません。生活や遊びを通じて食に関わり、食べることを楽しむという保育所保育指針解説の考え方を踏まえています。 こども家庭庁掲載「保育所保育指針解説」食育の推進

食育でも安全を先に

ビタミンEが多い食品としてアーモンドなどが紹介されますが、硬い豆やナッツ類は5歳以下の子どもには食べさせないでください。細かく砕いても、気管に入る危険があります。 食育の実物教材として手元に配ることも避け、必要なら写真を使いましょう。消費者庁の注意喚起

野菜も、その子のかむ・飲み込む力に合わせたやわらかさや形に調整します。試食や調理活動をするときは、食物アレルギーと園の対応方針を確認し、栄養士・調理担当者と相談してください。

栄養の話を、苦手なものを食べさせるための説得材料にしないことも大切です。「見つけたね」「こんなにおいがするね」と、興味を持てたところを受け止めます。こども家庭庁の保育紹介でも、無理強いせず、食べる楽しさを大切にする姿勢が示されています。こども家庭庁「保育士の一日 乳児クラス」

栄養の話は毎日の食事の入り口に

「体を守るお手伝いをするビタミンEがあるんだね」。今日はその一言と、給食の中で見つけたかぼちゃがつながれば十分です。

特定の栄養素だけをたくさん取る方向へ導かず、いろいろな食べ物に出会う時間にしていきましょう。本記事は食べ物への関心を育てるための内容です。サプリメントで補うことを勧めるものではありません。

絵本で野菜に親しむ

『やさいさん』

tupera tupera/Gakken

ISBN 9784052032981

しかけをめくりながら、土の中の野菜を見つける絵本です。ビタミンEを解説する本ではありません。野菜の形や色に親しむ読み聞かせに使えます。[絵本の公式情報]

出典・参考リンク

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食べ物に含まれる栄養は一つだけではありません。現在公開中の3記事をまとめています。

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食物アレルギー、食経験、発達、かむ・飲み込む力、園の方針に合わせた個別対応を優先してください。サプリメントの使用や症状への対応をこの記事だけで決めないでください。